- 2006年11月24日
泣いていても、怒っていても、コミュニケーションはスマイリー(smiley)!
淺間正通(静岡大学教授)
昨年(2005年)の9月、かねてからのフィンランド研究が縁で、フィンランド第2の都市タンペレに学舎を構える、タンペレリュセオン高等学校での講演機会を得ました。…
- 2006年11月17日
文法とは何か
千葉修司(津田塾大学教授)
文法とは何かという問いに対して、それは、私たちの心の中のさまざまな思いをことばにして表わそうとするときに用いる重要な道具であると答えることができます。世の中に…
- 2006年11月10日
言語習得研究者の覚醒に向けて
宮崎里司(早稲田大学大学院教授)
私の専門は、第二言語習得および日本語教育です。とくに、「外国人力士の日本語習得研究」などに関心が寄せられていますが、他にも、多文化共生社会における外国人問題、…
- 2006年11月2日
【連載: 「痛み表現」について】4
安井稔(東北大学名誉教授)
7. 痛み表現の文法
ここで、とりあえず、英語における痛み表現としてどのようなものがあるか、ひと渡り見ておくことにしよう。まず、次の (1) である。括…
- 2006年10月27日
「誤用」と「ことばの変化」が意味するもの
南 雅彦(サンフランシスコ州立大学教授)
ことばの学習というのは、それが母語であれ外国語であれ、目標言語に内在する規則に関して絶えず仮説・検証を行なっているのだ、とたびたび痛感する。英語を母語とする子…
- 2006年10月20日
ことば遊びの授業
半沢幹一(共立女子大教授)
最近は、お笑いブームであり、ことば遊びブームである。若者ことばというのもことば遊び感覚であるし、子供は怪傑ゾロリのだじゃれ、大人はおやじギャグという具合に、老…
- 2006年10月13日
「比喩はおいしいか」
牧野成一(プリンストン大学教授)
のっけから「比喩はおいしい」などと書けば、みなさんはなんか妙だなと思うかもしれません。普通は「おいしい」というのは食べ物か飲み物にしか使わないからです。広辞苑…
- 2006年10月6日
【連載: 「痛み表現」について】3
安井稔(東北大学名誉教授)
5. 翻訳におけるオノマトペの扱い
もう一つだけ例を挙げることにしよう。「その庭はピーピーチューチューさえずる小鳥でいっぱいだった」というオノマトペを含…
- 2006年9月29日
母語に目が開かれるとき
益岡隆志(神戸市外国語大学教授)
私はこの歳になって授業が楽しくなってきました。というのも、私の授業は日本語について考えることをテーマにしていますが、そこでは日本語を母語とする学生(日本人学生…
- 2006年9月22日
英語を読むということ
安藤貞雄(広島大学名誉教授)
英語を読むためには、単語と文法と知っているだけでは不十分で、英米の文化も知らなければならない、という話をしましょう。
筆者が高校の英語教師をしていた若…
- 2006年9月15日
言語学の喜び: 言語の記録と言語復活運動
角田太作(東京大学教授)
私は主に以下の三つのテーマを研究しています。(a) オーストラリア原住民語学(1971年から)、(b) 言語類型論(1980年頃から)、© 言語消滅の危機と言…
- 2006年9月8日
言い訳を追いかけて
杉戸清樹(国立国語研究所長)
「メールで失礼します」という文言を添えた電子メールが、今もときどき届きます。電子メールが使われ始めたころは、この文言を今よりもっと頻繁に目にした気がします。…
- 2006年9月1日
【連載: 「痛み表現」について】2
安井稔(東北大学名誉教授)
3. 痛み表現とオノマトペ
擬声語、擬音語のことを、英語では「オノマトピーア」(onomatopoeia)と言う。最近ではonomatope(s)という…
- 2006年8月25日
「言語学概論」の学び方
前田直子(学習院大学助教授)
大学に入って、「○○概論」といった授業は山のように受けた記憶があるが、3年生で専門課程に進学し、履修することになった「言語学概論」はそれまでとは全く違った。何…
- 2006年8月18日
「多言語」は、神が与えた罰?それとも祝福?
河原俊昭(京都光華女子大学教授)
聖書にバベルの塔の物語があります。当時の人間達は高い塔を建てて神と等しくなろうと思いあがっていました。そこで、神は、塔の建設を不可能にするために、人々の話す言…
- 2006年8月11日
「私」の言語学
沖 裕子(信州大学教授)
小学校の木造校舎二階にあった古い立派な図書室には、ぎっしりと本が詰まっていた。昭和三十年代後半の、長野県松本、旧市内である。
午後の最後の授業が終わり…
- 2006年8月4日
【連載: 「痛み表現」について】1
安井稔(東北大学名誉教授)
1. 英語の傷は「しみる」ことがない
アメリカで歯医者に行った。薬をぬられ、思わず顔をしかめた。と、“Does it hurt you?”ときた。この場…
- 2006年7月28日
言語研究の面白さ
宇賀治正朋(東京学芸大学名誉教授)
私たちは色彩に囲まれて生きている。私はいまこの原稿を黒色のボールペンで書いていて、目を上げて外を見れば、小道を隔てて隣家の白いコンクリ塀があり、内側からスケル…
- 2006年7月21日
「ロシア資料」の研究あれこれ
江口泰生(岡山大学教授)
いきなり宣伝であるが、『ロシア資料による日本語研究』(和泉書院)という本を出した。江戸時代、ロシア語を鹿児島方言で翻訳した文献の研究である。鎖国時代にこれほど…
- 2006年7月14日
ことばの研究の面白さ
井上和子(神田外語大学名誉教授)
私たちは、いつの間にか母語である日本語を体得している。教えられたり、訓練されたりして覚えるのではなく、無意識のうちに自分のものにした母語を自由に駆使して、常に…
- 2006年6月23日
「あさきゆめみし」の言語学
丹羽哲也(大阪市立大学教授)
「いろは歌」を、みなさんはちゃんと覚えていますか?
いろはにほへと ちりぬるを 色は匂へど 散りぬるを
わかよたれそ つねならむ…
- 2006年6月23日
ことばの仕組み
長谷川欣佑(東京大学名誉教授)
どんな言語の話し手・聞き手も、いくらでも新しい文を創り出し、それを理解することができる。この、言語の「創造的使用」は、人間の言語の最も基本的な性質であり、これ…
- 2006年6月16日
好奇心、問題意識、情熱、粘り強さ
彭飛(ぽんふぇい)(京都外国語大学教授)
「お二階へどうぞ」と言うのに、なぜ、「お三階」とは言わないのか。なぜ、「雨が降っている」の場合、「は」ではなく、「が」を使うのか。なぜ「ちょっとない」のように…
- 2006年6月9日
言語研究との出会い
荻野綱男(日本大学教授)
私が言語研究と出会ったきっかけは、つまり柴田武先生との出会いであった。
私が東大の言語学科に進学した1973年に、柴田先生の方言学の授業があり、受講者…
- 2006年6月9日
私が応用言語学者になった理由
畑佐由紀子(アイオワ大学准教授)
私はもともと英語が苦手で大学進学は受験で英語が重要でない学科を選ぶほどでした。大学に入ってからも、外国語はさけて通っていたのですが、3年生の時、1ヶ月30万旅…
- 2006年6月9日
古くからの疑問は新たな挑戦
中島平三(学習院大学教授)
高校生や大学生の方は、一度は海外の大学へ留学をしたいと考えたことがあるのではないでしょうか。留学先を選ぶ時、まず言語学を学びたいとすれば「言語学科のあるアメリ…
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